藍川京女史の愛読者のやなぎやこ。本書のトップを飾る氏の「妖花」につきレビューします。しかし、いいですねぇ。氏の持ち味である雅で流麗な文体は本作でもふんだんに発揮されています。主人公のややくたびれた感のある中年男が、偶然写真にうつり込んだ美女
をもとめてSNSで出会いを呼びかけ求め続け、そしてついに・・・。サビである男女の絡みに行き着くまで美しい日本語で読者を焦らしに焦らせます。読者は長い助走区間を倦まず歩き続ける。登山に例えてもいい。クライマックスまで遠いのに、なぜ登る? そこに山があるから。だが、「頂上」に辿り着いたと思ったら相手の女性は・・・! ネタバレ回避しますが、個人的には女性の属性設定が官能小説にはそぐわないのではと思いました。美しい作品。でも星は悩みに悩んで3つ。それでも読むべき。
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