舞台は古の大陸、中原を覇する十の国。
武官を輩出している一族の中でも指折りの剣の腕前を持つ少女は、伝説にも謳われる名剣を携える地位となった。しかし少女はある日こう申し出た。
「私を男として、一族の姓で推挙いただけないでしょうか」
宮廷で医工として仕えた父親が2年前突如失踪した。その理由を掴むため、父と同じ医工となり宮廷を調べるためであった。
子釉となのり、厳しい試験を経て無事医工となった少女はある日、禁苑の庭で見目麗しい二人の青年、高策と礼白に出会う。二人の青年に才を認められた子釉は、それから宮廷内の謎を解く任を負うことになる。ある日街の中で高策が何者かに襲われる。そこから子釉と高策の運命は大きく動き出すのであった。