愛ゆえの結婚だと信じていたのに──
涙を隠して、花嫁は姿を消した。アレッサンドラは仕事先で偶然出会った世にも美しい男性、
イタリア富豪ヴィンチェンツォと恋に落ち、すぐに求婚された。
めくるめく情熱の夜に続く、二人きりの結婚式。
すべては完璧に思えたが、思いがけず彼の真の姿を知ってしまう。
私は愛されてなどいない。財産を狙われ、弄ばれただけ……。
耐えきれずに逃げだしたアレッサンドラは数週間後、
急死した母が残した幼い異父弟を目の前に呆然としていた。
この子を引き取り、家族になりたい。でもそれには夫が必要だ。
悩んだ末、彼女はヴィンチェンツォの元へ戻り、懇願するが……。