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このささやかな書物は、事実を知っている私たちが何とかしなくてはいけないと、東京大学医学部で自主ゼミナールを開いている一学生に話したことが機縁となって、生まれ出たものである。（中略）
本書の第Ｉ部は、サリドマイドの催奇形性に関してこれまで知られている事実の紹介、第Ⅱ部は、これに関してすでにわが国で公表されている論文の再録とその注とからなる。学説とそれを（中略）めぐる論争が中心となるので、事例報告に相当するものは再録しなかった。
サリドマイドに関する真実を伝えるのが目的であったので、なるべく少人数で問題の全体をおおうことを考え、サリドマイド裁判で証言に立たれた、あるいは将来立たれるすべての学者の証言を集めようとはしなかった。裁判所での証言そのものは、裁判の終わった後で、弁護団の手でいずれ出版されることと思う。
学者の良心に従って証言していただくという建前上、編者としての私は、各人の原稿内容に一切手を加えなかった。私の仕事は、執筆者の選択と、これらの方々へ本書の構成に関して説明することだけである。（「序」より）
目次
序
Ⅰ
薬効検定について――サリドマイドを中心に１――……増山元二郎
サリドマイド裁判の証言……松永 英
サリドマイドと奇形……本田盈四郎
サリドマイド裁判の原点……平沢正夫
Ⅱ
奇形とサリドマイドとの関係について――杉山氏の論説に対する反論――……建田恭一
杉山氏のサリドマイド論の初等推計学的な誤り……高橋眺正
都立築地産院でのサリドマイド処方の分析――その処方の消退と奇形の出生との時期的関係――……高橋眺正
アザラシ状奇形の原因――サリドマイド仮説の成立に関する統計学上の争点について――……吉村 功
サリドマイド禍に見る研究者の姿勢――阪大杉山教授の論文をめぐって――……阪大災害問題研究会
序
Ⅰ
薬効検定について――サリドマイドを中心に１――……増山元二郎
サリドマイド裁判の証言……松永 英
サリドマイドと奇形……本田盈四郎
サリドマイド裁判の原点……平沢正夫
Ⅱ
奇形とサリドマイドとの関係について――杉山氏の論説に対する反論――……建田恭一
杉山氏のサリドマイド論の初等推計学的な誤り……高橋眺正
都立築地産院でのサリドマイド処方の分析――その処方の消退と奇形の出生との時期的関係――……高橋眺正
アザラシ状奇形の原因――サリドマイド仮説の成立に関する統計学上の争点について――……吉村 功
サリドマイド禍に見る研究者の姿勢――阪大杉山教授の論文をめぐって――……阪大災害問題研究会
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