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この本は一九六九年二月から七〇年四月にかけて、七回にわたってNHK教育テレビの「宗教の時間」に放映した座談のテープをもとに、発言者がそれぞれ多少加除してまとめたものである。
この企画はNHKの宗教番組担当のプロデューサー諸氏とわれわれ二人とが相談して、ひろく宗教の本質にかかわる問題をとりあげて、それぞれの専門の分野から、個別宗教間における共通点と相違点を話し合い、宗教が人間、文化、社会の上に、またその形成の上にはたす役割を、多少ともあきらかにしようとしたものである。
この鼎談を(中略)一瞬の電波のなかに消え去らせるのは何か心残りの感じも拭いきれぬものがあった。それで中村、北森氏に相談して快諾を得た上で、なるべく対談の原型をくずさないような形で、出版することになった。(「あとがき」より)
目次
第一話 無我と自我
はじめに
一 「我」について 「我」の民族性/日本的自我/西欧的自我
二 仏教における「無我」 仏の教え「我をすてよ」/ミリンダ王の問い/以下略
三 キリスト教における実在的自我 有りて有るもの/キリストの教え「自分を捨てよ」/以下略
四 信仰と救済 死して仏に帰る/成仏の思想/以下略
第二話 神と仏
一 神について 日本の神/東洋の神/釈尊と土着の神/以下略
二 「罰」について 悟れる者としての仏陀/業の因果/以下略
三 救済者としての神・仏 メシアの思想/あがないの思想/以下略
第三話 罪と業
一 「罪」について 日本人の「罪」意識/キリスト教でいう「罪」/以下略
二 「業」について 「業」と輪廻思想/原罪の思想と「業」/性善か性悪か―人間の本質
三 救いと悟り 報謝の念仏/回向/アダムとエパの罪
第四話 救いと悟り
一 悟りとは何か(詳細略)
二 悟りへの道(詳細略)
三 救いについて(詳細略)
第五話 愛と慈悲
一 宗教の基本にあるもの(詳細略)
二 宗教と倫理(詳細略)
三 救いと自己変革(詳細略)
第六話 自力と他力
一 浄土教における「他力」の強調(詳細略)
二 キリスト教の予定説と「他力」(詳細略)
三 「他力」から「自力」への回帰(詳細略)
四 「他力」と「自力」との調和(詳細略)
第七話 寛容と不寛容
一 寛容と不寛容の相克(詳細略)
二 風土と不寛容の精神(詳細略)
三 仏教における寛容(詳細略)
四 キリスト教と寛容・不寛容(詳細略)