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今日ほど子どもの自殺が注目され、憂慮されている時代は、かつてなかったように思う。近年わが国では自殺がふえているが、そのうちでもとくに、子どもの自殺は増加が著しく、またいっそう低年齢化が進んでいるためである。
本書は、子どもの自殺に関して、できるだけ多くの資料を盛り込んだつもりだが、むしろ重点は、著者自身が臨床体験で会得したものの報告を主とし、また具体的に理解していただけるようふんだんに事例を挿入した。その内容は、治療やカウンセリングの専門家にも充分寄与するはずであるが、それ以上に子どもの親や、教師、報道関係者など広範な人びとへの訴えかけに重点がおかれている。(「はしがき」より)
目次
はしがき
Ⅰ 子どもの自殺の実態
1 子どもの自殺の頻度 年齢別自殺率/年次推移/男女差
2 子どもの自殺の月別、時刻別分布/月別分布/時刻別分布
3 子どもの自殺の場所
4 自殺した子どもの同胞順位
5 自殺した子どもの親の職業、本人の職業
6 子どもの自殺の手段
7 子どもの自殺の動機 統計からみた動機/子どもの五大自殺動機
Ⅱ 子どもの自殺の特徴
1 子どもの自殺の特徴
2 自殺の要因 自殺の根本要因/自殺の準備状態と直接動機/自殺の三期
3 子どもの自殺の心理
Ⅲ 子どものおかれている状況
1 今日の子どもの特徴 一般的特徴/心理学的考察
2 家庭 家庭の一般的状況/今日の親の姿/家庭のあり方を求めて
3 学校 学校の一般的状況/学校のあり方を求めて
4 社会
Ⅳ 子どもの自殺の周辺問題
1 登校拒否 一般的経過/登校拒否のタイプ/登校拒否の背景/登校拒否の治療
2 薬物乱用 シンナー遊びの現状/乱用の経過
3 暴走族 暴走族の背景/暴走族の特徴
4 非行 非行の推移/罪名別の分布・推移/女子少年/年齢層別の特徴
5 自殺の周辺問題の相互関係
V 子どもの自殺の防止(詳細略)
1 自殺防止の三段階
2 家庭での予知と対策
3 学校での予知と対策
4 友人間の予知と対策
5 地域社会での予知と対策
6 専門機関の働きと役割
7 不幸にして自殺者が出た場合の対応
8 マスコミの役割と課題
9 社会の役割と課題
参考図書 自殺防止機関一覧