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“ひとは誰でも自分自身の歴史家である”といわれるほどに,ひとの生と歴史とは深く結びついている.本書は,歴史学の周辺から,情景や眼に映る現象を手がかりにして考察をすすめ,歴史学の意義や存在理由を考えなおそうとするエッセイ集である.
目次
Ⅰ
歴史学の周辺――自伝・伝記・叙述・研究
Ⅱ
高麗の将軍標/ 神々の復活/ 烏羽の文字(からすばのもんじ)/ 黄金と陰謀/ 将門と飯粒/ 聖者と算盤/ 道路の幅と旅の用心/ 軍国美談の詩と真実/ 一つの一九三〇年代的人間像
Ⅲ
女帝と権力/ 傭兵物語/ 蝕まれた王たち/ 或る革命家の人物像
IV
怪物たちのバラード/ 歴史と詐欺師――ツュペーアとゲッペルス/ アイヒマン裁判の教訓
V
「ゲルニカ」四十年/ スペイソ内戦の諸様相――最近の翻訳書に見る/ スペイン内戦四十周年
VI
国際的感覚について/ 日本人の国際感覚
VII
歴史学との出会い/ 読書・敗戦前後/ 批評と論争の倫理
あとがき