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朝鮮半島の山野に足を踏み、各地の遺跡遺物の探求に、若い頃の情熱をかたむけた私自身は、一層この感を深くし、そして半島の地と半島の人々と、その地に育成され、その祖先に支えられた古文化に人一倍の愛着を覚えたのであった。一九四三年の『朝鮮古代文化の研究』、一九四七年の『朝鮮仏教美術考』、一九四七年の『上代における大陸文化の影響』は、このような心境のもとに書きつづったものであった。
新しい時代を迎え、私は韓国をしばしば訪れ、面目の一新された遺跡や旧状のまま残されている遺跡をたずね、そして韓国のよき友に接する機会をつくった。一九七九年十月、第三回日韓仏教交流協議会がソウルで開催されたとき、講演をたのまれたが、その際、東京大学出版会理事中平千三郎氏とともに、江原道の月精寺に詣った。車中たまたま、UP選書のことに及んだが、このことが機縁になり、ここに、このささやかな本がまとまることになったのである。私としては、さきに刊行した三冊の本の新版でもある。
(「まえがき」より)
目次(1,2以下の詳細は略した)
第一章 古代朝鮮の文化
一 高句麗の文化
1 高句麗文化の基層/2 高句麗の古墳/3 高句麗の壁画古墳/4 高句麗の寺院とその文物
二 百済の文化
1 百済文化の基層/2 百済の古墳/3 百済の寺院/4 百済の文物
三 古新羅の文化
1 古新羅文化の基層景/2 古新羅の古墳/3 古新羅の寺院/4 古新羅の文物
四 統一新羅の文化
1 統一新羅の文化の基層/2 統一新羅の都制/3 統一新羅の寺院と仏教文物/4 統一新羅の墳墓
第二章 古代朝鮮文化と日本文化
一 技術と生活 技術者の渡来/土木技術と山城/金属技術と文様/陶器と装身具
二 寺院と塔
僧侶の来住と思想の影響/寺院の建立/木造塔の建立と積石塔
三 墳墓
原始的な葬制から洗練された葬制へ/奈良時代の墳墓と統一新羅の影響
第三章 日本の中の朝鮮文化をいかに考えるか
一 日本の中の朝鮮文化(詳細略)
二 渡来または帰化した人々(詳細略)
三 古代朝鮮文化の痕跡を示す社寺と金石文(詳細略)
第四章 古代朝鮮文化と日本文化とに見られる共通性と異質性
一 文化の共通性(詳細略)
二 文化の異質性(詳細略)