※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
精神病の起源をどこまで戻れるか? 臨床医のやさしい感性が,病いの背景を人類の文化史のうえにさかのぼって鮮烈な感動をよぶ.分裂病質は狩猟民の感覚に近しく農耕文化はうつ病にいたる執着気質を伴う.さらに魔女狩りを軸に西欧精神医学史を描く.
目次
第一章 分裂病と人類――予感、不安、願望思考
序/ 1 〝先取り〟的な構え/ 2 狩猟民的な認知特性/ 3 農耕社会の強迫症親和性/ 4 近代と分裂病親和者/ 5 人類学的な有利さ
第二章 執着気質の歴史的背景――再建の倫理としての勤勉と工夫
1 〝甘え〟の断念/ 2 再建の什涯E不――二宮尊徳/ 3 立て直しと世直し/ 4 世俗倫理の盲点/ 付自己抑制の倫理――武士階級
第三章 西欧精神医学背景史
序/ 1 古代ギリシア/ 2 ギリシア治療文化の変貌/ 3 ヘレニズムに向かって/ 4 ローマ世界とその滅亡/ 5 中世ヨーロッパの成立と展開/ 6 魔女狩りという現象/ 7 魔女狩りの終息と近代医学の成立――オランダという現象/ 8 ピネルという現象―― 一つの十字路/ 9 ヨーロッパ意識の分利的下熱/ 10 ピューリタニズムと近代臨床/ 11 フランス革命と公式市民医学の成立/ 12 啓蒙君主制下の近代臨床建設/ 13 新大陸の〝近代〟/ 14 大学中心の西欧公式精神医学/ 15 カ動精神医学とその反響/ 16 二十世紀における変化/ 17 西欧〝大国〟の精神医学/ 18 西欧〝小国〟の精神医学/ 19 ロシアという現象/ 20 〝向精神薬時代〟/ 21 神なき時代の西欧精神医学/ 22 ヨーロッパという現象/ おわりに――〝神なき時代〟か
注
あとがき