日本の「遺産」なくして、韓国の発展はなかった――。
「先の大戦で敗戦国となった日本は、
無条件降伏し、朝鮮半島をはじめすべての海外領土を放棄させられ、
資産、財産はすべて没収された。
本書は、日本の植民地支配は
搾取と収奪だけの不幸な時代だったとする
いわゆる〈収奪論〉に対する実証的な批判であり、
韓国の公式歴史観に対する真っ向からの挑戦である。」
(「監訳者によるまえがき」より)
第一章 なぜ帰属財産なのか
I.植民地遺産としての帰属財産
II.いまになって問題として取りあげる理由
III.研究が不十分な理由
IV.結語:研究の必要性
第二章 日本資産の流入課程
I.序論:資料・概念・用語の問題
II.資金の類型別流入額
III.流入資金の総合と評価
第三章 帰属財産の形成過程( I ):SOC建設
I.鉄道
II.道路
III.港湾
〈補論〉山林緑化事業
第四章 帰属財産の形成過程( II ):産業施設
I.電気業
II.鉱業
III.製造業
第五章 帰属財産の管理( I ):米軍政時代
I.解放時における日本人財産の状態
II.米軍政の帰属財産接収過程
III.帰国事業体の管理および処分
IV.帰属財産の韓国政府移管
第六章 帰属財産の管理( II ):韓国政府時代
I.韓米の最初の協定と帰属財産の引受
II.引受財産の実情と管理体制
III.帰属財産の処理過程
IV.民間払下げ以降の運営状況
第七章 解放後の韓国経済の展開と帰属財産
I.植民地遺産としての帰属財産
II.一九五〇年代の経済と帰属財産
III.一九六〇年代の韓日協定と帰属財産