ミシガン大学ビジネススクール教授の著者キャメロンによれば、ポジティブリーダーシップとは、普通ではない
並外れた効果、結果を達成するマネジメントのこと。本書では絶対に実現できないと思われた巨大な核施設
の整理、経営陣の交代で混乱を来した病院、M&A後の異なる組織の融合など、難題を抱える組織やプロジェ
クトをかじ取りして卓越した結果につなげた事例や組織行動学、医学、心理学の幅広い研究を引用しながら、
それらの共通項を4つの「ポジティブリーダーシップ」戦略としてまとめた。
キャメロン教授は、あえて枠組みを超えるような「ポジティブな逸脱」を認めるリーダーと
「肯定的なエネルギーを出し続ける人=ポジティブエネジャイザー」の組み合わせが難題解決に有効とする。
そのうえで、並外れた成功のためには、リーダーは「弱点よりも強みを強調すること」
「思いやり、感謝、許しなどの徳のある行動を育むこと」「達成目標に加えて貢献目標を奨励すること」
「仕事に意味を持たせること」が必要と説く。
翻訳書の割にコンパクトなつくりですが、組織の状態をチェックするテストや自己診断ツールも含まれ
あらゆるビジネスパーソンが読めばすぐに活かせる一冊です。