このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズ第15作となる本作は、「密室」という古典的ギミックを、現代的な技術と社会構造の緊張感で塗り替えた一編
いかなる鍵も破る怪人〈ロックスミス〉の存在は恐怖と好奇心を同時に刺激し、複数の事件と政治的思惑が絡み合う構成に引き込まれます
ウォッチメイカー級の圧倒的カリスマには一歩及ばないものの、ロックスミスは「侵入される不安」という生理的恐怖を巧みに掘り起こす点で独自の存在感を放つ
警察組織から切り離されたライムが、仲間たちとの静かな信頼関係を武器に知力のみで戦う姿には、シリーズが積み重ねてきた時間の重みがにじむ‥
複数の謎が最終的に一つへと収斂していく手腕は健在で、安心感と高揚感を両立させる語り口はさすが👌
派手さよりも完成度で魅せる、円熟期のリンカーン・ライムを味わえる一冊