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ビル・エヴァンズが亡くなって、もう36年になる。日々、彼が残した膨大な数のコレクションから演奏を聴いていると、亡くなったこと自体が信じられない気がする。今、目の前で、彼が美しい音楽を奏でているからだ。 もし私が若い時期にビル・エヴァンズの音楽に出会っていなかったら、この歳になってもジャズを聴き続けることはなかっただろう。そして今でも、日々、彼の音楽に触れて感動を覚え、安らぎを感じることができることに、心から感謝しなければならない。 幸いにも、1998年、アメリカでビル・エヴァンズの人となりを膨大な証言から書き下ろした伝記本が出版された。ピーター・ペティンガー著の「Bill Evans: How My Heart Sings」がそれである。(日本語訳は翌年、水声社から出版されている。)この本のお陰で、ビル・エヴァンズという偉大なジャズ・ピアニストの素顔が大分明らかになった。 ビル・エヴァンズが、敬愛する兄ハリーのあとを追ってクラシック・ピアノへの道を歩んでいなければ、ビル・エヴァンズのジャズは平凡なものに終わっていたかもしれない。あの叙情味溢れた即興演奏も、凛としたピアノの音色も、存在しなかったかもしれない。 (あとがきより)(※本書は2017/2/21に発売し、2022/8/25に電子化をいたしました)
9784864502603
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