常に忙しく、ストレスに耐え続けることが勲章であり、
それでしか自分の価値や有能さを証明できない。
定時に帰ったり、休暇を取ったりしたら、
毎日残業をしている人よりも劣っている。
現代では、そんな考え方が常識になっている。
しかし、長時間労働したからといって、労働の質が上がるわけではない。
大切なのは量や忙しさではなく、質だ。
僕たちは、時計仕掛けの疲れ知らずのロボットではない。
いくらそんなふうにふるまっても、
日々の忙しさから自由になる時間がなければ続かない。
人間の素晴らしい経験のためには、休息、内省、回復のための時間、
つまり重圧や期待から心と体を解き放つための
「タイムオフ(休息)」の時間が必要だ。
本書では、世界の賢人35人(発明家、革命家、ノーベル賞受賞者、思想家、億万長者、
アーティスト、ギリシャの神々、そして〝普通〟の人たち)の、休息術を紹介する。
「休息のマイクロステップをつくる」
――アリアナ・ハフィントン(「ハフポスト」創業者)
「たったひとりで旅にでる」
――エド・“ウディ”・アレン(音楽プロデューサー)
「“見逃す”勇気を持つ」
――ヘルマン・ヘッセ(詩人・小説家)
「週に1日、デバイスの電源を切る」
――ティファニー・シュライン(映画監督)
「精神の“輪作”を行う」
――セーレン・キルケゴール(哲学者)
「カレンダーの中身を片付ける」
――近藤麻理恵(片付けコンサルタント) ……など
ほかにも、
「数学と科学の世界を変えた発見を、旅行中に思いついた数学者」
「会社を1年休業したにもかかわらず成功したデザイナー」
「1日5時間労働で年商1000万ドルを超えた経営者」
など、さまざまな賢人たちの休息術を紹介する。