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福島第一原発事故により、牧場の放棄と家畜の殺処分を命じられた農家。だが、それにあらがう男は「一揆」を決意。敵は国、東電、そして放射能――。“意地”だけを武器に闘い、絶望の淵で《希望の牧場》が生まれた――。 本書は、3.11以降も警戒区域内で「牧場の牛を生かし続ける」ことを選んだ、エム牧場・浪江農場長である吉沢正巳氏を中心としたドキュメンタリーだ。不条理な国の殺処分命令に抵抗し、どのようにすれば、牛を生かし続けることができるのかを模索しながら、たどり着いたのが、人間にとっても「牛を生かす意味」があることを明確に打ち出した《希望の牧場・ふくしま》というプロジェクトだった。 この間、吉沢氏の活動はさまざまなメディアに取り上げられてきたが、その舞台裏は十分に伝えられていない。国、自治体、東電などに対する、言論による闘い。放射能を帯びた警戒区域内で身体への影響を顧みず、牛たちを保護、飼育することの過酷さ、そして喜び。吉沢氏の闘いをサポートする人々の姿。さらには、吉沢氏と同様、「動物たちの命を助ける」という大義を掲げるも、実は私利私欲に走った人間たちの醜さ。そうした状況の中から《希望の牧場》が生まれ、奮闘が始まるまでの物語を、1年半におよび、プロジェクトのメンバーとして自ら吉沢氏をサポートしてきた著者がまとめたのが本書である。思わず目を背けたくなるような写真も含まれるが、これもまた「3.11の真実」なのだ。
9784904209226
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