日本〈固有〉の民族宗教といわれる神道はどのように生まれ、その思想はいかに形成されたか。
明治維新による神仏分離・廃仏毀釈以前、日本は千年以上にわたる神仏習合の時代だった。
本書は両部・伊勢神道を生みだした中世を中心に、古代から近世にいたる過程を丹念にたどる。
近代の再編以前の神をめぐる信仰と、仏教などとの交流から浮かび上がる新しい神道の姿とは。
補論「神道と天皇」を収録し、新たに補注を加えた増補版。
序 章 「神道」の近代
第一章 神と仏
1日本の神
2神と仏との出会い
3神仏習合の発生
4本地垂迹説の形成
第二章 中世神道の展開
1中世神道説の濫觴
2中世神道説の形成と展開
3鎌倉仏教と中世神道
4神観念の中世的変容
第三章 新しき神々
1人神信仰と御霊信仰
2人神信仰の展開
3渡来神と習合神
4女神信仰の展開
第四章 国土観と神話
1国土観の変遷
2中世神話と中世日本紀
3中世神話の諸相
第五章 近世神道へ
1吉田神道
2天道思想とキリスト教
3近世神道の諸相
4国学への道
終 章 「神道」の成立
補 論 神道と天皇
補注
あとがき
増補版 あとがき
参考文献