社交界を追われた、裏通りの“狼”。
爵位奪還の鍵を握る謎のレディと運命的に出会い――
ロレイン・ヒース 19世紀恋絵巻、完結編。
エスメはハンサムな訪問客を驚きとともに見つめた。
女王暗殺計画の首謀者として処刑された公爵の長男マーカスが、
一族の汚名をそそぐため、父の愛人だった彼女にまで協力を仰ぎたいという。
燃えるようなまなざしに心を動かされたエスメは、自らの正体を隠し彼に近づいた。
彼女もまた、女王暗殺未遂の真相を秘密裏に追っていたのだ。
ただひとつの誤算は、愚かにも彼に惹かれてしまったことで……。