知の巨人・鶴見俊輔を「社会運動論」として読み直す!
鶴見俊輔(1922-2015)は、アメリカのプラグマティズムを日本に紹介した哲学者、多岐にわたる領域への言及を重ねた評論家、大衆文化への幅広い目配りと、なかなかとらえにくい巨大な存在だ。本書では、これまであまり触れられてこなかった「社会運動家としての鶴見俊輔」に焦点を当てる。近年の新しい世代による社会運動には3つの特徴がある。①「理想到達ではなく最悪を回避するための抵抗」②「流されていく中で自己と向き合い自分の言葉で考え発見していく」③「まず自分のための社会運動を目指す」。これは、「後ろ向き」のままで、社会や政治にかかわっていこうという鶴見の特異な運動理論と重なる。それを踏まえ、本書では新しい社会運動論を提示する。
日常の行動こそが人間を創る! ゆったりと、しかし
妥協せず生きるため、「後ろ向き」に社会を変える!
【主要目次】
序 章 なぜ「鶴見俊輔と社会運動」なのか
第1章 1960年代と「市民運動」
第2章 『日常的思想の可能性』を読む
第3章 鶴見俊輔を位置づける
第4章 流されながら社会に関わる
終 章 鶴見俊輔を「現在(いま)」こそ読む