追うべきは、殺人事件か、企業スパイか――
事件記者と調査報道班の相克
吉川英治文学新人賞受賞作『ミッドナイト・ジャーナル』に続く、渾身の社会派ミステリー!
「社長は人として許されないことをした。だから告発しようと思った――」
中央新聞長野支局の事件記者関口豪太郎は、一人の青年の訃報に耳を疑った。
昼間知り合ったばかりの好青年が、深夜に溺死体となって発見されたというのだ。しかも青年は偽名を使っていた。疑念を抱いた豪太郎は取材に乗り出す。
一方、東京本社の調査報道班は、ある新興企業の不正疑惑を追っていた。やり手の社長が犯した“人として許されないこと”とは?
内部告発者が突然の失踪を遂げるに及び、調査報道班は社長のルーツを辿って長野へ向かう。
絡み合うそれぞれの事件の先に見えてくる真相とは――?