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本書は、気候変動とコーヒーをテーマにしています。
執筆のきっかけとなったのは、2015年にクリスチャン・バン(以下、Bunn)らが発表したある論文です。
「一杯の苦いコーヒー(A bitter cup:Climate change profile of global production of Arabica and Robusta coffee)」
と題されたその論文は、地球温暖化によって、将来、コーヒーの産地でどのような影響が出るのかを予測した論文でした。
ビッグデータの分析によって導き出された結論は、
「2050年までに、現在のコーヒーの産地で適作地域が半減する」
というものでした。
その後、Bunnらの研究を受けて、ほかの研究者も最新データを用いて検証を重ねていますが、
残念ながら結果は変わっていません。
このシミュレーションは、日本のコーヒー業界に大きな衝撃を与え、
「コーヒー2050年問題」と呼ばれるようになりました。
気候変動を前提とする時代に、コーヒーの生産現場では今何が起きているのか、
消費者である私たちに何ができるのか、これらの問題を一緒に考えていきましょう。