二十年前に両親を殺されて以来、世捨て人のように生きてきた真野。
ある日、彼が営む「深夜喫茶」に謎めいた少女が現れるが、不慮の事故に巻きこまれ、意識不明になってしまう。
身元の手がかりは、ポシェットに入っていた一枚の地図のみ。
その地図に導かれるように、真野は、一度は捨てた故郷を訪れる――。
【目次】
第一部 帰れない街
第二部 すれ違う意図
第三部 螺 旋
第四部 接 近
(上巻)
「殺人者の息子」という宿命を背負い、検事への夢を断たれ弁護士となった川上。
かつての父同様に、頑ななまでに死刑判決のみを望む被告の弁護を手伝うことになり、二十年ぶりに故郷へ。
被害者と加害者、双方の息子。決して交わらなかった二つの人生が、因縁の街で新たな局面を迎える――。
「汐灘サーガ」三部作最終章。著者インタビュー収録。
【目次】
第四部 接近(承前)
第五部 強まる疑念
第六部 過去からの手紙
第七部 接触、そして
巻末付録 堂場瞬一インタビュー
(下巻)