騎士団で薬師として働く平民のオリアナは、二年間交際していた第三騎士団の隊長マイクと別れた。彼が騎士団の掃除メイドであるコリーンと浮気していた上に、彼女を妊娠させたからだ。元カレとその浮気相手が働いている職場で働き続けるのが辛く、オリアナは騎士団を辞め故郷に帰ろうと決意する。
オリアナを指名して二週間に一回、睡眠薬を求めて薬事部を訪れる男爵家子息であり近衛騎士のユリウスに辞めることを伝えたところ、彼は突然オリアナに求婚をしてきたのだ。平民のオリアナは貴族との結婚など想像もしたことがなかったが、いつも寡黙なユリウスからの真摯な愛の言葉に戸惑いつつも、思わずときめいてしまい――。
これは恋人の浮気で傷ついたオリアナが、まっすぐで誠実なユリウスと心を通わせるお話。
電子書籍用の書き下ろしではオリアナとユリウスの「その後」のお話や、マイクとコリーンのその後も追加。
『恋人に浮気されたので故郷へ帰ると決めたら無口な騎士様に求婚されました【分冊版】3』には『ユリウスの奮闘』(後半)~『番外編 手紙とぶどう酒』を収録