ロクサンシーム王国の王妃、レイニーマインは従順な妻だった。
しかし、ある日夫のクレインとレイニーマインの腹違いの妹のリリスが浮気している現場を目撃してしまう。問い詰めるレイニーマインにクレインは開き直り、さらにはリリスがクレインの子を身ごもっていると告げたのだ。そのあとも自分に都合の良いことを口にするクレインに我慢の限界に達したレイニーマインは感情のままに離縁を願い出て、クレインもそれに同意するのだった。
ロクサンシーム王国を支配下に置く帝国の皇帝が二人の婚姻の際の後見人であったことから、クレインとレイニーマインは離婚を報告に行くことにした。そこでありえない事実を目の当たりにしたクレインは手のひらを返し、レイニーマインとの離婚をなかったことにしようと、卑劣な手を使い彼女を意のままに操ろうとして……。
電子限定書き下ろしでは、クレインと離婚したレイニーマインが聖女としての旅に出て黒猫のクロウと冒険者パーシィと出会うお話を大幅加筆。
クレインの浮気によって傷ついたレイニーマインが新しい恋や愛を見つけ、自分の心を取り戻すまでの物語。