かえるはいかにして騎士となり、敬愛する女王のもとから去るに至ったのか。
名前もないかえるは、地下室の檻で寝起きする見世物暮らし。
ある夜、騒ぎに乗じて逃げだしたかえるは、行く先々でたくさんの人たちと出会う。
数奇な運命によって遠く離れた土地へと導かれたかえるは、やがて闇を支配する恐ろしき敵との戦いに身を投じてゆく。
「ぼくは何ものなのか」。長い旅の果てに、かえるは何を見つけるのか。
世にも苛酷で優しいダークファンタジー、ここに開幕!
●著者
十文字青(じゅうもんじあお)
2004年『第7回角川学園小説大賞』特別賞を受賞し『薔薇のマリア』(KADOKAWA)でデビュー。
著作に『灰と幻想のグリムガル』(オーバーラップ文庫)、『果てなき天のファタルシス』(星海社)などがある。