老いてなお盛んでいられるのは、心身ともに健やかなとき。しかし、年老いた主人公は今、病室のベッドに横たわっている。
余命いくばくもない老人は、達観しているようでいて、脳内は妄想と欲望と性欲が渦巻いていた。老人だから、命が尽きる寸前なのだから、欲はない、というのは嘘なのだ。
老人は若くて優しい看護師の情に訴えかけ、乳房に見せてもらう。それだけでは飽き足らず、顔になすりつけたりもするうちに、抑えていた欲望が燃えさかってしまった。ベッドで寝ているだけの男は、妄想と実際の性欲の両方にまみれながら、究極の快楽に浸っていく――。