「婚約破棄だ、フェアリーっ! お前には、火あぶりすら生ぬるいっ!」
魔女の疑いを掛けられてしまった令嬢フェアリーは、第2王子ジャクヒンから婚約破棄を言い渡され、王都にある塔に投獄されてしまう。
誰もが、魔女は絶望の淵に突き落とされているだろうと思っていたのだが、彼女は違っていた。
「やっと、ひとりになれた……」
毒親と妹にひどいいじめを受けていたフェアリーは、牢獄暮らしを喜んでいた。
ひとりぼっちを漫喫するフェアリーだったが、親を失った雛鳥を助けたことで、鳥たちから懐かれるようになる。
鳥たちが取ってきてくれる木の実や果物で、みすぼらしかった見た目はどんどん健康的になっていく。
さらに【氷薔薇の熾天使】と呼ばれるセラフィス公爵の愛鳥を治したことから、見染められ……。
ひとりぼっちの魔女と、誰にも心を開かない天使の、不器用な恋の物語が始まる――。