夏の日の午後、茹だるような暑さの田舎のバス停。
部活帰りの僕と彼女は、いつものようにバスを待っていた。
他愛ない会話、触れるか触れないかの指先、甘酸っぱい青春の1ページ……のはずだった。
不意に彼女が呟いた「帰りたくない」という囁き。
そして、セーラー服のスカートの下に隠された、衝撃的な“覚悟”。
――彼女は、ノーパンだったのだ。
驚きと欲望に思考が焼き切れ、僕の中に眠っていた雄の衝動が目を覚ます。
蝉時雨が鳴り響く中、古びたベンチがきしむ音、乱れる呼吸、そして卑猥な水音だけが僕らの世界のすべてになる。
純愛と性欲の境界線で、少年は「男」に、少女は「女」に変わる。
一生忘れられない、青くて、切なくて、どこまでも淫らな夏の日の物語。
※ジャスミン書房エピソードは1話完結の短編官能レーベル。通勤時間や眠る前に読める“濃密で短い官能”をお届けします。