夏帆―The Tale of KAHO―(村上春樹 )の注意事項

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作品内容

私はこの世界の出口を見つけなくてはならない――。女性を主人公にした初の長編小説。「正直いって、君みたいな醜い相手は初めてだよ」 26歳の絵本作家、夏帆は初対面の男にいきなりこう告げられた。とびきり美しくも賢くもなく、ただ少しばかり好奇心の強い彼女は、怒りよりもショックよりも、ただ純粋に驚いた。しかしそれから彼女の周りでは、実にさまざまな奇妙な出来事が起こりはじめる。

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レビュー

夏帆―The Tale of KAHO―のレビュー

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最新のレビュー

村上春樹氏の長編16作目
ネタバレ
このレビューはネタバレを含みます▼ 村上春樹氏の長編はほぼほぼ読了済みです。単行本も発売日に買いました。既刊も読み返したいなぁと思った次第です。
今作は初の女性主人公ということで、ちょっと新鮮な気持ちだったかも。異界へのトンネルを抜けたり、穴の中を降りたりはしませんでした。絵本の中に夏帆を彩る象徴的な人物たちが登場して、夏帆の心の中を整理していくかのように物語が進みます。
意味深なモーターサイクルの男。君みたいな醜い人に会ったのは初めてだよ、とか言う衝撃的なセリフから今作は始まります。全てはそこから始まった。
ありくいの夫婦はシロアリの女王の子どもも美味しく頂いていたわけだよね。なんか、女王ばかりあいつは酷いやつだみたいに言われてるけど、ありくいのご夫婦の子どもがジャガーに襲われたのも、自分だって同じことしてるからではないの?という気持ちになった。形を変えて悪は再生産される。それと認識できない姿をとって。今回はたまたま夏帆の味方だったというだけではないかな。夏帆にジャガーの乗り移ったとぎやの主人を刺すように仕向けたり、シロアリの瓶詰めを手に入れるようにお願いしたり、結構夏帆はいいように使われていたと思うのですが、ジャガーが死んだことがわかると後半全く出てこなくなりました。ありくいの夫婦は本当に親切だったのか?
モーターサイクルの男には制限があり、何もかもつまびらかに説明することができません。それでも、
三度登場してなんとか夏帆に手を差し伸べてくれました。自分から守護天使名乗ってるくらいですから、本当はこの人を最初から頼るべきだったのでは??ありくいの夫婦はモーターサイクルの音が聞こえない武蔵境への引っ越しを勧めますが、そうしなくてはならなかったのは、多分に自分たちの都合では?シロアリの瓶詰めしかり、ジャガーの抹殺しかり。
夏帆はお母さんとの親密とは言いがたい距離感に思うところがありました。女王からははっきりとお母さんのこと愛してないじゃんとも言われます。多分、そうなんでしょう。それでもお母さん助けて!って声をあげたし、お母さんは力を振り絞って助けてくれた。
そして、自分のお母さんだった人はもういないのかもしれない。いつかはみんないなくなってしまう。そのことを夏帆は改めて教えてくれた。
夏帆は読了感爽やかで、お話も難解すぎるということはないですからオススメです。
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2026年7月15日

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