モルベナはイギリス人という設定なのにジャングル(アステカと表されている)の中にいて湿度や足場の良し悪しや虫についてが書かれていないのに、空の青さの広がりだけを評しているのは些か少女漫画風味である。しかし、ロッケのシニカルでシビアな物言いには
それらの不足を補うかのようなものも見て取れてまあまあの出だし感である。しかし、ロッケという男は何者か。現地人なのか、なぜ英語が話せるのか、医師というのは現地においてのみ有効な医療技術者なのか世界共通の医師免許保持者なのか、まったく語られていない。また、HQにおいて最も重要なモベルナへの熱い感情を彼の瞳からは読めない。これは重大な不足。まるで保護者だ。父親を亡くしたモベルナの父親代わりではないか。ロマンスを感じさせてくれるのはヌーノだけ。切ない初恋のそれとロッケという精悍な男への憧れと嫉妬で物語を感じさせてくれている。現代はジャングルの中にも近代的な文化が入り込んでいる事は周知の事実としても、結婚式は欧米風?!現地の人もタキシード?おまけにイギリス人の父親の認識票がアメリカ軍風?なんで?
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