「恋愛志願」かなり笑った作品。これまで認識してこなかった身近なヒロイン(雀)のことを恋愛対象にいきなり格上げ?の、彼のドタバタが楽しい。ヤキモチ混ざり具合も滑稽な感じが出てカラリとしている。男性二人がそれぞれ相手からパンチの場面、一発パンと
少しスカッとしたのを狙ってる。キスシーン良かった。
「情熱だけの関係」嫉妬を描いたもの。結婚に失敗した女、酷い裏切りを経験した男、この二人が新たに構築する関係。波乱が収束しもうもう大丈夫と”嵐のあと“を思わせるエンド。
佐柄先生は女性の顔について、割ととやかく批判されることがありお気の毒。画家モジリアニの描く女の捩れたような細首(私は好みではない)は一緒だとか、ゴッホのヒマワリはいつもソレだ、ということのようなものだと、思うのだが。口元が、筆記体の大文字Eの形で表現する先生、昔の4コマ?漫画家にいたが作品は良かった。HQなら鼻が気になる、横顔が好みでない、など絵に気になるところがある先生、それなりにいるが、それで一気に1星などに私はしない。今風の絵が金太郎飴の如く連なっているから楽しみのない雑誌もある。
個性的な絵の作品ほど、作品の中に投影される個性をも楽しめるかと思う。例えば同じ原作を、別の俳優陣、全く異なる演出家が上演するのはアリなのだから、これもいいのでは?
「愛にむせぶ白鳥」一目見て互いにそれぞれ好感を持った二人、後から彼が気に入ったところを説明が付け加えられるが、私はこれに結構違和感を持った。彼の下心で始まるストーリーが言い訳がましくなっていく。
驚くほどグイグイ来た彼のスピード感が、ヒロインが待たせたからではなくて、いきなり足踏みを始める。
確かにそれはそれなりの理由はある。
二人にはそれぞれ辛い過去、厳しい現実がある。
それでも、物語の始めからの、昨日までの他人がその日の内に一気に二人で話をするまでに至る一直線が気持ちよかったのに、振り子が、突然停止、散漫になっていく。
なんとなく、物語に詰め込まれているものが絵ではなく文字で片付けられた感じで終わる。本人の感情の推移が、言葉で埋められた表現でされてしまう。
この話はダリウス主体、兄弟のどちらにもその背景に膨らみがありながら一冊に収まらず弟編へ繋がれる。散漫な印象が読みす踏めるうちに深まる作品。
単独で読んでいるが、総合で見ると、星4と、思っている。
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