同じページ数の漫画を読んでも三月先生の漫画は濃度が違う気がする。情報量のせいもあるかもしれないけど、同じ一冊買うのでも満足度がすごい。すごいある。
サンプルの右手シリーズ(弟)は、ひょんなことから同級生と同居することになった二人が、右手の
貸し借りをするようになる。卒業間際の数ヶ月という限られた時間、若さと性への好奇心が先走っただけのように見えたそれは……。というとても素敵な男子高校生の話。
表題の夜明けシリーズはその兄の話。手塩にかけて育てた弟が彼氏を連れてくると聞いて、弟に気を使わせない為に自分も同性の恋人がいると嘘をつく。嘘に付き合わせた同僚はなぜか兄に本気で恋をしていて……。兄自身は完全に忘れていた全てのきっかけになった酔っ払い時のエピソードが最高。
(けど、翻訳されないとわからないのに、どうやって異母兄の話を聞いたのかな?とは思う。重箱の隅)
最初は、ルックスとか説明文が全く性癖に刺さらないので、買わないつもりだったんですけど、サンプルを読んだらダメだった。作品紹介読むと面白くなさそうなのに、サンプル読むとめちゃめちゃ面白そうだった。
あと、メイン作品の量と表題作品の矛盾について三月先生自身も言及されてたけど、右手シリーズめちゃめちゃ面白いのに、兄カプのが人気だから表紙なんでさね……。もっと右手の学ラン時代見たかったなあ。夜明けも、短いながらちゃんと前後編で綺麗にまとめられてて、さすが三月先生でした。
しょうみな話、右手シリーズは受けが性癖外だし夜明けシリーズは攻めが受け性癖なんですけど、性癖を飛び越えて面白かったし好きになってしまった。三月先生の圧倒的漫画力とキャラメイク、魅せ方、展開・演出の上手さ、ストーリーテリング、全てに屈した(腹を見せる獣のポーズ)。
好きになった作品が性癖になる。
今日からは、これが性癖になるんだよ!
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