クリスマスシーズンらしいお話。誰もが浄化されるような心静かにその時を迎えるお話。
絵が地味だけれど、ストーリーの美しさでカバー。
彼の家がさばけていてそこも地味にgood!
ただ、そんな大勢集まる場所で働いていたら、後で困った
ことが起きそう。わからないように、思い切り顔を白くしたとしても、大勢の観客のうちには分かる人達が居ることだろう。観客同士の中には、そうした劇場を社交場の延長とする人々も居るわけだから。
とはいえ何よりお話の世界のことなのだから、目くじら立てるほどのことはないが。
ロマンチック成分は低め。
最終頁、星はもちろん良いけれど、なにかしら物足りなく思う。
讃美歌111番「神の御子は」が頭に響いて来る。日本人の典型、神仏習合的人間の私で、クリスマスとなれば今度はキリスト教の雰囲気に憧れるのだが、原点のようなこの手作りクリスマスは、人間の奥にあるこの行事に対する理想のクリスマス観の追求。清らかな感傷的な期待と、準備を進める素朴な伝統に、落ち着きや安らぎを見出だす人間の描写が、説教臭を遠ざけて良い。
垢まみれ(?)の2組が、“しけこんだ”狩猟小屋で、俗物過ぎる過ごし方を図らずも軌道修正させられる、という流れ。前半の彼の「殉教者」という内面の言葉が妙に被って、二人が夜を共に過ごすときには彼が浄化されたように見える筋運び、愛人ではなく恋人となっているのがよかった。
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