何となく読み始めたんですが思った以上に良かったです。私自身は35歳は結婚もしていたし、その年齢もはるか昔ですが茉莉子の気持ちはすごくわかる。20代を人並みに頑張ったけど手にしたものに実態がなく、もう若くないと思うと焦りがつのる。好きで続けて
いる仕事だけど打ちのめされフリーランスなのもあって自信を失う。恋を楽しむより溺れる怖さの方が先に立つ。功毅が同じ年で同じように自分のキャリアの岐路に立っているのがまたリアルです。彼も35歳の大人の男なんだと思い直すシーンが好き。子供のような夢を追うのではなく今いる場所から少し先の理想を目指す真摯なふたり。功毅がちゃんと口説いてくれるのが良いなぁ。この辺りはリアルというより女子の夢かもしれない。最初ちょっと断るとあっさり引く男の方が多いと思うけどちゃんと口説く。私、こんなにちゃんと口説かれたことないかも笑。「なぁ、」って甘えるセリフがまたいいわぁ。最後があっさり数ページでバタバタ展開で終わりましたがこれはこれでリアル。全体とおして色んな立場のセリフが秀逸。ほんと思った以上に夢中になった作品でした。
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