■元カレ
ポチが香子のマンションで生活するようになった頃、香子が元カレの思い出から脱却してゆくエピソード。
マンションに残された元カレの私物を目にするたび、ポチと暮らしているにも関わらず未だに香子の脳裏には元カレの姿が。
物や思い出を捨てていくことで引きずり続けた過去の恋を断ち切っていくと同時に、香子は空いた隙間をポチという存在で埋めていく…。
本編の裏側を覗き見る、香子の“幸せ”への一歩を感じさせるお話です。
■カヤと湊
島を出て、都会に暮らし、結婚をする…、憧れていた暮らしそのものを送っているハズのカヤだったが、最低な事があった日の夜は決まって故郷の島の夢を見ていた。
目が覚めて思い出すのは、湊と過ごした時間、湊への未熟な恋、島を出るその時に湊がくれた言葉――。
カヤ視点で語られる思い出と今の想いを語る追加エピソードです。
■side.榴くん
両親との間に複雑な問題を抱えているのは朱寿乃だけではなく、榴もまた、いつからか遠ざかってしまった親からの愛にずっと心の隙間を感じていた。そんな中で朱寿乃と出会い、温かい愛を知る榴。そして固く閉じていた朱寿乃の自尊心を掬い上げるたび自分自身も存在を認められるような充足感があった。榴と両親の確執、朱寿乃と出会い惹かれていく心境、真実に気づいてなお“愛”を選んだ榴の視点を追った番外編です。
■side.紫乃ちゃん
朱寿乃の元に届いた手紙の差出人は、ひとつ下の妹である紫乃からだった。子供のころに両親の大喧嘩を目の当たりにした日の記憶が、ずっと心に小さな棘として残っていた。手紙で吐露される紫乃の気持ちと、朱寿乃から想う紫乃への気持ちが優しく繋がり花となる、朱寿乃の幸せを願う人には是非ご覧いただきたいエピソードです。