幼い頃、自分の不注意から弟・ジョルジュを誘拐されてしまったエステル。家族から疎まれた彼女は、国一番の魔法使い・アンデリックと結婚し、彼の子供を産むことを命じられる。異形の姿をしたアンデリックは、幼少期に養父を殺してしまったトラウマから他人との接触を極端に拒んでいた。「俺を受け入れてくれる女など誰もいない」互いに消えない傷を負っていたふたりは次第に惹かれあい、ついに一夜を共にする。かたちだけの婚姻から、本当の夫婦へと近づいていくふたり。しかし、エステルの実家から手紙が届いたことで、暗雲が立ち込めて――……?