明治時代の華族、春衡伯爵家。
一族の淫靡な姿を描き出す官能浪漫譚。
明治44年、春衡伯爵家に嫁いだ大名家の姫君・徳子は、
夫・芳鷹との関係を避け、代わりに乳兄弟の侍女・濤を差し出す選択をする。
日々深まりゆく夫と濤の関係に心を乱した徳子は、ある夜、思いがけない行動に出るのだが...。
優美な貴族社会を舞台に、三者三様の想いが織りなす、切なくも艶やかな愛の物語。
芳鷹の秘められた想いとともに、彼らは新たな愛の形を見出していく―。
※本作品は『春衡伯爵家の事情』壱~伍巻を収録した総集編です。
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