大帝国・斎(さい)には、大陸に名をはせる若き女帝が居た。
誰もが息を呑む美しさを持ち、学者すら及ばぬ知力を有し、
剣を振るえば大男すら転がす…だが、彼女の名が知れ渡ったのはこれらの抜きん出た才のせいではない。
大陸にその名が轟いた理由…それは、彼女の残虐非道な振る舞いにあった。
「その男の首をお刎ね」
逆らう者は敵味方問わず悉く首をはね、陰で「極悪女帝」とあだ名される、
そんな彼女がある日、属国から婿を迎えることに。
「言っておくけど、私の夫になれる男はそういないわよ」
「俺が自分の意志であんたにひれ伏すことはない」
お似合いの美男美女の婚儀と思われたが、丁々発止のやりとりに早くも波乱のムード。
婿殿の秘密とは?後宮にはいったい何が隠されているのか?
残虐無道の極悪女帝と美貌の婿殿の波乱万丈の物語が、いま始まる…