『SとM』で知られる村生ミオが少年誌時代に手がけた意欲作『神の子』
偉大な父を持つことに悩みながらも、野球に情熱を注ぎ、もがきながら前に進もうとする少年の姿を描いた、胸を打つ青春物語。
かつて日本中を沸かせたスーパースター・津村陽一。パンチ力のある打撃と華麗な守備で、全国の野球少年たちの憧れの的だった。そんなスーパースターを父に持つ津村拓海は、中学卒業と同時に野球をやめた。父を誇りに思う一方で、その存在は重荷でもあった。
私立南陽学園に進学した拓海は、学校側から活躍を期待され、背番号1を託される。だが拓海は、自分は父とは関係なく、野球はやめたとその思いを伝える。諦めきれない校長は、一打席だけでもいいからバッティングを見せてほしいと、グラウンドに拓海を誘う。バッターボックスに立った拓海だったが、一度も打つことができず、グラウンドを後にする。部員たちの視線は冷たく、それでも津村の息子かよと失望の色を隠さなかった。自分の才能のなさに打ちのめされた拓海は、深く落ち込む。だが、野球から逃げちゃダメなんだと心を奮い立たせ、もう一度野球に挑む決意をする。
■目次■
第1話 背番号1
第2話 チームワークって
第3話 いつわりの勝利
第4話 父親って
第5話 目標は甲子園
第6話 その汗に区別なし
第7話 ロンリー・ランナー