不遇な家庭環境のなか、それでも平和に恋愛もせず生きてきた社会人のちなつ。
けれどある晩、夜の世界で働く姉が、見知らぬ男を家に連れて帰ってくる。異国の響きをまとう話し方、飄々とした笑み。
「シン」と名乗るその男は気さくで優しいけれど、どこかうっすらと信用できない。
不安どおり、ちなつはふとしたきっかけで彼の“本当の顔”を知ってしまう。「君って――汚してみたくなるもんな」不穏な言葉とは裏腹に触れる手は丁寧で、理性が麻痺しそうなほど優しくて――。
ギャップに心を揺さぶられながら、はじめての身体の関係へと踏み出していく。
日常を塗り替える、危険で抗えない恋の始まり。