誰をも傷つけたくはない。だから私は出ていく。このヒロイン アニスの決断は正しかったのか?この物語で考えるべきはこの部分と思う。ヒーロー ラファエルの妹の夫が、ロクデナシだとしても、妹には、兄や他人に 諭されれば傷つけることになると アニスは
考えた。ならば、その時が来るまでは 現状維持といいうことになるが、ロクデナシと共に暮らすのは耐えがたい。誰も傷つけずに ラファエルとアニスが幸せになる方法とは。結果、ロクデナシは馬脚を現しトンズラした。おかげで、ラファエルとアニスはハピエンだ。自己中心的に考えるなら、ラファエルもアニスも別れる必要はなかった。妹の夫の行動を告白し、2人で妹夫婦を静観していれば良かったのだ。必要な手は 妹へ何時でも差し伸べられるのだから。けれど、この物語は、全員が痛み分けしているところを強調している。妹は身から出た錆という 一人だけ傷つけさせることにしないで、兄もその恋人も そして妹本人も皆、傷つき決断するという展開。心優しき物語になっている。こんなこと物語でしかあり得ない。ロクデナシのせいで 全員が傷つき 誰も幸せになれないというのが現実だろう。だから、物語の中だけは、優しく愛情を感じていたい という思いが溢れていた。
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