これは販促の大失策に思える。続きがあるのに、「ハイランドの野獣」みたいにしてなかったから、 もうここでおわり?なんて残念に思う人続出してしまうなんて!
別物扱いされていたのが見るに忍びなく、1と、2と、繋がりを示すようにタイトル付けの
工夫をシーモアさんに折角頼んだのに、それでも私のあとに読んだ方が戸惑っているとは。。。
コミックのほうは、描写力素晴らしく、絵に溢れるギリシャの陽光と屈折 雰囲気最高。
紙媒体の中古を後日探し出して買い集めた程。
幼なじみのような人とつかず離れつ、お互い異性としての付き合いを求めずに、大人の今は社長と秘書としてずっと過ごしてきた。ヒロインのビリーには気持ちがあって、彼は好きな人なのだけれど、彼は何でも持っているし、女性が切れたことはない。自分の置かれている状況を幼い頃より認識しているので、彼我の差を冷静にわきまえて、初めから距離を置いてきた。
でも、彼も常に意識の中には必ず彼女を近くに置いている。
彼が一時期関心を明らかに示してきたとき、彼のあまたの女性の一人になって消えた女性の一団入りする結果となることを恐れ、仕事の関係にとどまった。ヒロインは本心を押し殺して辛うじて男女の関係に陥るのを回避したのだった。
だが、彼の哀しみに寄り添おうとしてある日の晩。。。
私はこのあとのこの話に作家の物語作りの究極のポイントというか、動機を相当強く感じた。ここから、HQさもありなんの展開なのだが、でも、だからこそのまさしくこのストーリーはハーレクインならではの世界であり、それを、綺麗に絵で表した理想的なハーレクインのコミカライズ、といった感じなのだ。
舌を噛むような書き方で何をいってるか、という感じだが、ヒロインは哀しみを秘めて、側に居続けることを選択した。
その後間もなく、彼から結婚の申し出。愛されてそれを形にしてプロポーズされるということなく、愛している彼との結婚に踏み切る。
そして読み手としては、これは前編なので、これでちゃんと納得のいくエンディングに行ってくれるよね?との微かなドキドキを抱えて後編に進むのだ。
あぁ、ハーレクイン。隅々までハーレクインらしさ浸れる。二人のやりとりがそれはそれは絵になっていること!ザ・ハーレクイン満喫。
藤田先生が、恐らく安定的に読者を引っ張ってる感じが、この作品には強く出ている。
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