銃撃戦に日本一こだわる作家伊藤明弘氏が現代のアメリカンマフィアのファミリー抗争をベースに描いたタフでハードボイルドな一大銃撃活劇の傑作です。
事件の全体構造や複雑に入り乱れる展開に一時期のタランティーノ作品のような印象もうかがえますが、徐
々に明らかになっていく登場人物の背景や生き様、国境を越えてメキシコに潜伏するも差し向けられた追手との一大戦闘、さらには凄腕の殺し屋にFBI、転がりだしたら止まらない怒涛の展開は伊藤明弘氏ならではの映画的手法の真骨頂でしょう。
既刊7巻で物語は途絶えており、盛り上がった続きが気になる引きのある終わり方でありながら、このまま終わるのも逆に映画的で良いとも思える不思議な幕引きは非常に印象的です。
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