恋に縁遠かった女の子の一念発起。
お兄さんたち、あり得ない。それはない。
心配もいいが、極端から極端に走る危険すらある。家が厳しいと子どもがはっちゃける恐れに近いというか。もっとも、ヒロインにはブレッドという王子さまがちゃんと居てくれた
けれども。
女性扱いされてなくても、特別なポジションの女の子でいたヒロインは、媚などでアピールする必要がない。ありのままで彼から可愛いと思ってもらえる女の子。
初恋が叶うストーリーはやっぱり好き。幼い頃の気持ちにノスタルジーもあるし、その人が故郷に帰ってくる、ヒロインの気持ちに入っていけた。
頑張らなさすぎて、余りに女の子してなくて、いくら典型的なつもりで臨んでなかったとしても、初デートなんだから、と、読み手の私がそれでいいの?いいの?と、少々慌てた気持ちにさせられたほど。
でも、彼は男性だった。しかも、子どもではない。
ここ、ハーレクインだから大事。ヒロインを大切にする彼がきっちり役目を果たしてくれる。
「ブレットも?」「ブレットも兄貴たちと同じ?」「私が子供に見える?」のシーンが良かった。
まだ互いの境界の内側に居るような二人の、一瞬のドアノックのようなシーン、二人の間に流れる空気の微かな揺らぎ、HQで私が期待するのはこういうナイーブさだ。
確かに絵にはため息の出る華やかなうっとりシーンはない。
ただ、この話は、とても健康的に明るい女の子の、飾り気のない自然体が魅力の恋話。彼女なりの恋愛や結婚への憧れが、とてもいい形で成就するのを見届けられて、なんだか、ほのぼの幼馴染もののような可愛さがあるのだ。
欲を言えば、彼の服装が多少ダサかったかもしれない。これは重要な要素であり、ラフスタイルでも、ヒロインにとってはやはり王子ポジションにいるメインキャラだから。
ビジネスを扱うHQは休日の、ビジネスを扱わないHQの場合は全編にわたり普段着のスタイルは最重要ポイントだろう。
でも、ヒロインの想いが画面に表れていれば、それはそれで納得することもあるかもしれない。
ヒロインの普段の姿にヒロインの良さを知っている彼が言う言葉は、私が大好きなパティーン。「君は君のままでいいんだよ。」
これだけでこのストーリーは輝く。
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