ジュリエットの言うところの「敷かれたレール」とはこの場合結婚の事。つまり、プリンセスとしての政略結婚の事。だから、「嫌になって逃げた」のは結婚だけからなのであって、敷かれたレールの一部である財団運営においてはやりがいを感じている。この部分を
分けていないところが物語の不味いところだ。読み進めるうちにこの違いがはっきりとしてくる。進行においても手拍子するように事が進み感情が置いてきぼりにされていて決まりが悪い。登場人物も魅力がなく、ヒーローであるシェイに対して「ヤンキー」という言葉が出てくるが、その意味でさえ「呼ばれている」という程度で勇敢なのか、猪突猛進なのか曖昧でその採用意図が伝わらない。犯人捜しに重点を置いてはおらず予想の範疇を超えずにエンディングとなるのであっけない。
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