フワフワと話が進行するが、特に読み終えた時に余韻やジーンと来るものもないし、途中早く次を知りたいとか無くて、盛り上がり不足で、キュン不足で。このセットを読んでも、どこからも何らかの恋愛ホルモンは刺激されなかった。
出会いのときめきも過去形
の描き方に臨場感が少な目で、再会後の心の動きもドラマ的盛り上がりがパンチ不足で、晴れてハピエンに向かおうとする流れに入るときもこれでやっと!、といったような安堵感が持てないのだ。
絵は綺麗で宮殿内や衣装もしっかり描かれている。景色も、濃淡は強くないが海とか空からの眺めとか、言いたいことを伝えてくる力を、感じる。
大人の恋愛という趣はちょっと薄い。
為政者の一族の問題なのに、国や国民そっちのけで后の椅子に座りたい者の地位への執着が前面に出ている。悪だくみをうまく排除できずに、二代続けて陰謀が半ば成功して、何年間も不幸な目に遭いましたとさ、という話に、恋愛が絡んでいたからこそ起きた背景がある。という、その点はいかにもHQな話。
三作単品ベースで各々3.5と思っているが、単純合計を3で割るよりも、他のセット物のHQと比較して、セットとして読んだ場合に星は3位だろうと感じた。
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