災害や動乱に翻弄され、また、人生が失敗の連続で、挫折と絶望の果てに、諸行無常なる様を描いた古典文学「方丈記」。
「すべては心で変わる」という見解に感銘を受けたという玄侑宗久氏の解釈は、かつての大震災の渦中にあった福島在住で、鴨長明と同
じ僧侶の立場だからこそ、説得力がある。
自分があらゆる苦悩に苛まれ、どのように生きたらよいか分からなくなることが多い。それに漬け込んで自己啓発の為にさまざまな人生の書に頼る方も少なくないだろう。
しかし、自分の足元を見れば、巷に溢れるヘタな「成功の秘訣」よりも大事なことが見えるはずだ。
この本は、「方丈記」の原文と口語訳が付属してあるのも有り難い。
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