『全ての恋は病から』が、笑い溢れるコメディタッチのお話で面白かったので、続けて「可愛いラブコメ」とレビューにあったこちらを読みました。…が、予想と違っていました(良い意味で)。始まりから暫くは浮世離れした花時雨の言動に笑っていられましたが、
一心の想い人が〜辺りから、切なくて泣けてしまって…笑って読めるはずが「こんなはずじゃなかった」心境に。凪良先生の作品は、どれだけ笑いに走っても必ず何かしらの感動を与えてくれるので読み甲斐があります。今でこそよく使われる「一周回って〜」という表現が、約20年も前の作品に出ていて驚きました。「グルっと回って最初に戻っただけ。〜」そこには深い意味が込められていて、暗に「(一周回って元に戻っただけなのに)見える景色、感じる思いは明らかに違う」と言っているんですよね。もう流石としか言えないです…時代の何十歩も前におられる先生なんだと改めて思いました。だから昔の作品でも色褪せることなく楽しめるんだなと感動しました。切なさと可愛さいっぱいのほっこりできるラブコメです。
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