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沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第7弾。タイトルにある『アントゥリ』とは沖縄県西表島の網取集落のこと。網取は昭和46年の夏に廃村となった。一時は200人もの住民がいた自然豊かな村でした。険しい地形と自然のままの山林に囲まれて、他の集落へ行くにも、自分の田畑へ行くにも舟を使うようなところであった。300有余年の歴史をもつ網取村。村建て以来、いかにして祖先が生活を営み、村を支えてきたのか、お年寄りの方々から聞かされた村の歩みと行事を中心にして、神事、地名、伝説などを僅かながらも盛り込んだ1冊が電子書籍として復刊。本書の著者は網取集落出身でこの廃村となった網取村を今一度掘り起し、力の及ぶ限り書き綴り、子孫への贈り物にしたいと思いと願った山田武男氏(1986年の初版出版直前に急逝。)著者が亡くなってから10年後の1996年秋、網取の港からほど近い場所に、生前著者が書き遺した言葉が刻まれた、「あんとぅりの碑」が建てられた。そこにはこう記されている『網取村は西表島の最南端に三百余年の歩みを残した。耕地や交通の不便と人頭税の重圧に耐えて村人は父祖の築いた繁栄を守ってきた。しかし、政治の貧困による経済の行きづまりと医療、教育の不備を始めとする孤島苦がつのり、ついに昭和四十六年七月十四日に全員離村を余儀なくされた。ここに私たちは全体の祖先の霊を祀り、四散した村人のよりどころとするためこの碑を建てる。』みんなの力で網取に村の記念碑を建てたい、せめて記録にとどめたいという思いが実現されたのである。「沖縄が日本に復帰する直前の1971年、西表島西南部にある小さなムラが長い歴史を閉じ廃村となった。そのムラ網取で、かつて人びとはどのように生活し、いかに歴史を伝えてきたのだろうか。忘却の彼方に流されようとしている網取りの姿を、本書は愛情をこめて克明に描いている。一つの、この民俗誌を手にした時、私たちは、沖縄が変動の過程で失ってしまったものの大きさをあらためて痛感せざるをえない。(1986年当時の作品紹介文より)。」
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