明治6年。松代藩の中級武士だった横田家の娘・英は、持ち込まれた縁談に困惑していた。密かに胸にあるのは、幼馴染みで使用人の息子、幸次郎。けれど、身分違いの恋など許されない……。一方、区長を務める英の父もまた、悩んでいた。富岡にできるというフランス式の最新の製糸場に、区から工女を出さねばならないのに、誰も協力してくれない。父の窮地が家族の話題にのぼったとき、縁談を断ろうとしていた英は、つい勢いで言ってしまう。「わたし、富岡製糸場に参ろうと思います」そして区長の娘が富岡に行く、という安心感から、瞬く間に、個性溢れる少女たちが集まって……。初めての長旅と共同生活、フランス式製糸場にフランス人上司。初賃金とホームシック、そして恋……。あの時代、あの場所に、青春があった。少女たちの瑞々しい青春記録。※本書は2017年6月29日に配信を開始した単行本「明治ガールズ 富岡製糸場で青春を」をレーベル変更した作品です。(内容に変更はありませんのでご注意ください)