私は変にビビリな所があって、辛そう・悲しそうな結末が予想される場合は、なるべくレビューを読んで備える性格です。予想に反して「純愛・博愛精神いっぱいのいい話」でした。
前作まででも「時代の流れや行き先を見極める先見の明のある作家さん」だと思
っていましたが、今回も素晴らしかったです。精子提供について「倫理観なんて千差万別。珍しくもなんともない時代がすぐにやってくる」というセリフには、未来の今読んでいるからこその(本当にそうなってるよっていう)感動がありました。真崎と倫章の愛に、縁のある人々それぞれの愛が加わって、大きな括りでの家族愛を教えられた気がします。
レビューや星の数から考えるに倫章派の人多くて、倫章の気持ちや立場を思うと…ってなるのでしょうけど、私も倫章派ですが、この展開・ラストがベストかなと。こういうのは損得勘定で測るものじゃないけれど、どこからどう見ても誰にとってもウィンウィンの関係だと思えました。
シリーズ通して真崎をいい人と思ったことは一度もなかったけど、倫章に本心を隠し続ける姿勢を見て、初めてカッコ良さを感じました。真崎なりの愛の深さを知った感じです。それでもやっぱり倫章の聖母のような慈愛には勝てないと思いますけど、最後の産みの儀式はとても彼等らしくてお似合いだなと思いました。
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